行動ターゲティングは去年くらいから流行りつつありますね。
サイバーエージェントは5月29日、ウェブサイトを訪れたけれども成約に至らなかった見込み客に対して再びアプローチできる広告ツール「MicroAd Retargeting(マイクロアド リターゲティング)」の提供を開始する。
どういう広告かというと、ECサイトとか、広告主のサイトにスクリプトを貼っておいて閲覧者のブラウザにcokkieを仕込みます。もう「仕込む」って書いてる時点であんまり印象よくないんだけど。
で、そのcookieを保持しつつ、MicroAdのアドネットワーク上で広告を配信するという仕組み。
シンプルだし、わかりやすい。効果も少なからずありそうな気もする。わからないけど。
何人かのブログを読んでたらけっこう懐疑的な意見が多かった。一方で「まあ微妙だけどアリなんじゃないの?」って意見もあった。正確に半々ではないけど、健全な範囲で賛否が分かれているといったところかな。
ぼく個人はけっこうアリなんじゃないのかなと思っている。まあどこまでエゲツない感じで追っかけるかは程度の問題なので、そこは気をつけないといけない。タカヒロさんの「ストーカー広告」って表現はズバリすぎて笑ったけど。
でもそれはテレビCMでもあんまりにも大量に出してると辟易するのと同じだし、電車の中吊りジャックで「おおー壮観」と思うか、「視界を埋め尽くしてウザいよ」と思うかのちがいに近い。
もちろん今回の場合は、個人に向けて作られたクリエイティブだとウザさも倍増するとは思う。それは選挙カーのウザさに近いかも。まあでもこれも勝手に割り込んでくるのと、元々広告スペースだったところを埋め尽くすだけなのとを考えれば、選挙カーほどじゃないのかもと思ったり。
まあいずれにしても、あまりに監視されてる感じだと逆効果になると思うけど、適度なバランス(たとえばサイト訪問者には、一般ユーザーと比較して3倍くらい広告表示するとか)ならいいんじゃないかと思います。
鵜川くんも「これって違う気がする」と書いてて、まあそれは(感情的には)わかるんだけど、ECの現場を知るものとしては、このくらいは許してほしいというか、切実なところなんですよね。
ECサイトの運営者はいろいろと考えています。もちろんそのままレジに直行してくれるなら最高なんだけど、実際はそうじゃない人のほうがはるかに多いわけです。そもそもサイトを気に入らなくて買うのをやめたならあきらめるしかないのですが、ショッピングカートの放棄率がけっこう高いことを考えても、「かなり惜しい」ところで離れていると予想できます。
だからECサイト側は一度きりのお付き合いにならないように、メルマガに登録してもらうとか、プレゼントとかインセンティブを用意したりして、なんとか購入を、少なくともメールアドレスをもらおうとします。ぼくはこの、メルマガに登録してもらって、その人にキャンペーン情報を送るのに、今回のリターゲティング広告ってのは近いと思います。
なので、たしかに頻度によってはウザい。1回でも送られるのがウザい人がいるのもわかる。でも「カートに入れたきり、買うの忘れてた」とか、「前は知らなかったのでやめたけど、今なら買ってもいいかも」と思ってくださる人もいるにはいるので、やっぱり程度の問題でアリなんじゃないかと。
大事なことは、その適切なバランスというか、閲覧者がウザく感じない程度の量で露出できるかとか、再訪問を喚起させるクリエイティブを用意できるかとか、そういう広告としての正しい設計ができるかどうかだと思う。
ぼくは1回使ってみてもいいかなあと思いました。ほんとに使うかどうかは運営会社の信用度なども含めてさておき。











コメント(9件)[コメントだけのRSS]
あーそうそう。頻度とかバランスって意味では、某ショッピングモールのメルマガになると明らかにNGですね。
でも考えようによってはあれと同じくらいのボリュームでもウェブサイトの広告なら許せるのかもしれない。メールで受け取るからウザさ倍増なのであって。
投稿者: 河野 | 2007年5月30日 10:13
amazonとかで、間違って商品クリックしたり、興味ないのに、流れ上でクリックすることがあると思うんですが、そういう入力がきっかけで、recommendが出てくると、そういうのってなんとなく気がつくので、もうそこに情報としての信頼感はないですね。
ターゲティングは結構ですが、緩やかなターゲティングにとどめておいて欲しいものです。
ネットで行動する人の行動の全てが、別に必要としている行動とは限らないってのは、どうやって見極めるのかなぁとは思います。
特にネットコミュニティに絡む人は、他人の意思が、そのユーザーの行動に絶対入ってきますし、そもそも「続きはWebで」って、興味喚起よりも前のステージでWebに誘導する商売してるわけで、そこで矛盾してね?とか。(それはそれで見込客なのかな。。。)
非アクティブなブラウザウインドウをアクティブにするときに、間違ってadsense踏んでる人って、相当数あると思うんですが、そういうのも計測されたらやだなー。
投稿者: f-shin | 2007年5月30日 12:02
ぼくはわりとそこは楽観論というか、きっとこういうのを考える人は最低限の知識やモラルを備えていると信じているのです。
間違ってクリックしたくらいは、頻度の問題なので排除の対象にするのはとっても簡単です。
ぼくが沖縄に出張に行ったからといって、そのリピート率はいいとこ年に1-2回なわけで、毎日「沖縄に行こうぜ!」って言われてもしょうがない。そのくらいは考えてると思います。
ただ、知られたくない行動ってのはやっぱり存在するので、ここは難しいですよね。たとえばDISCASでエロDVDばっかり借りてるからといって、どこのサイト見てもエロエロな広告が出てると困ります。おちおちセミナーでライブデモとかできません。
このあたりはパーソナライズド検索なんかも同じだと思うのですが、シビアでセンシティブな問題であることはまちがいないですね。
投稿者: 河野 | 2007年5月30日 12:11
なるほど。僕は本格的なECサイトを運営したことがないので理想論を語ってしまったようです。ただ、今回のモデルに違和感を感じるのも確かなので同行を見ていきたいと思います。
投稿者: ugawa | 2007年5月30日 16:33
理想論か。そうかもしれないね。でもさ、その理想ってのが人間的かどうかも考えるべきなんじゃないのかな。
たとえばすべてがロボットの世界ならともかく、人間ってある程度のノイズをむしろ好んだりするし、同時にある程度のレコメンドも欲しているよね。
この「ある程度の」というファジーさ(死語?)こそが、人間的なコミュニケーション設計のキモだと思う。
今回のリターゲティング広告がうまくいくかはさておき、ぼくはそういうファジーさを容認できるところが人間らしさだと思うし、それを実感できるコミュニケーションが好きです。
投稿者: 河野 | 2007年5月30日 18:02
行動ターゲティング、わたしも去年ぐらいから動向を見守っています。
今までユーザの属性とかでターゲティングしていたのを、行動の情報も付加しようということですよね。アリだと思います。
ただ、知らぬうちにcookieを埋め込まれてしまうというのは、不快はある。
ユーザにとってもメリットと思ってもらえるように、展開すると良いのではないかなーと。それが広告であっても便利ならOKと思えるように。
このリターゲティング広告については、まだ深く見てないのですが、単純に同じサイトに戻すだけの広告なら、ちょっとどうかなーと思ったりします。広告主の側にメリットが偏りすぎかなと。
投稿者: ほりうち | 2007年5月30日 23:49
たしかにユーザーが不快感を持ったらダメだと思うのですが、かといって某社のように「広告を情報に」みたいな話もぼくはうさんくさいと思っています。
広告はどこまでいっても広告だと思うので。
(なので「便利な広告」ってのがちょっとわかんないです)
たしかにリターゲティングって広告主側にメリットがあるのですが、広告である以上、そうなんですよね。閲覧者にメリットのある広告なんてありません。邪魔するのを自覚してるから金を払うわけで。
その前提でどこまで嫌われずにすむかってのが広告の宿命だと思うんですけどね。
投稿者: 河野 | 2007年5月31日 00:13
広告主が、邪魔を自覚している、というのは良いですねー。そうでありたい。
消費者の視点では、広告を広告とわかりつつ吟味して便利に使っている層がけっこういると感じています。
たとえば、新聞の折込チラシ然り。検索連連動広告やメルマガも。
なので個人的には、広告に対してそんなにネガティブな考えは持ってないです。とは言え、ややネガティブなくらいが、広告主サイドに立つことの多い身としては、バランスよいのかも。と、河野さんのレスを読んでいて思いました。
投稿者: ほりうち | 2007年5月31日 22:50
広告のマイナスを取り返すのは、商品(やサービス)そのものでしかありえないんですね。
「広告」ってその字のとおり、広く告げることなので、基本的にやかましいものなんです。イコール、ウザい。
ウザくても許されるために愛嬌がいるとか、そのへんはプライベートと同じかもしれないですね。
投稿者: 河野 | 2007年6月 1日 00:06