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ECサイトのメディア事業戦略の資料を作った

ちょっといま進めてるプロジェクトでこんな資料を作った。

実際には何人かに話してる内容です。話すと3分で終わっちゃうので、ここしばらくどうやってまとめたものかと悩んでたんだけど、なんとか整理した。

言いたいことはシンプルで、

  • リスティング広告はやがてパフォーマンスに限界が来る
  • アフィリエイト経由の売上構成比が高まると原価率を圧迫する
  • 専門メディアの価値が高まり、ECサイト自ら運営するケースも増える

ということです。

これまでいろんな形でECサイトに関わってきましたが(今も関わってるんだけど)、実際に広告費をつぎ込んでるのを見てると、リスティングのパフォーマンス(CPC/CPA)は規模の拡大に会わせて悪化する、それもあるところから急激に悪化するということ。さらにアフィリエイトは比率がどんどん高まっていて、たしかに成果報酬という仕組みはECサイトにとって助かるんだけど、仮にすべての売上がアフィリエイト経由になった場合、粗利率が3%下がるわけで(もちろん報酬率を3%にしてる場合)、少ない利幅で商売しているとかなり苦しい。

ECサイトは店舗もないからコストがかからなくていいねって話は、少なくともぼくが見てきたオンライン書店においては事実ではなくて、倉庫の家賃やシステムの減価償却費、1500円以上の注文では送料を負担するのでその費用とかとかを考えれば、実店舗と変わらないくらい厳しい利益率でどこもやってる。

そういう意味ではリピート顧客にいかにたくさん買っていただくかってことが重要になってくるんだけど、最近はそのリピート顧客もアドワーズ経由やアフィリエイト経由で来店してるので、実は新規顧客にかかるコストとそんなに変わらない。実際ぼくも楽天やAmazonに検索エンジン経由でアクセスしてるしね。
(メールマガジンとか、ブックオフオンラインだと入荷お知らせメールのような場合は、直行してもらえるので0円で集客できると言えるかも)

で、まあこれからのECサイトはそういう集客コストをある程度は見込んでおかないといけない。体力勝負になるのは好ましくないんだけど、これからは新規参入と同じくらい撤退も増えてくるんじゃないかなあ。

もちろん規模の経済を働かせるためには売上を伸ばしていくしかなくて(そうすると倉庫や人材の有効活用とか、宅配業者との価格交渉もできる)、そのために何をすべきかということを考えたのか今回の資料です。

前置き長いー。

ぼくはネット広告でブランディングを実現するのはけっこう難しいと思っていて、だから今回もECというROIがわかりやすい事例に絞ってまとめたんだけど、これからのECサイトはサイトそのものを購入のために最適化するとともに、多くのネットワークサイトと提携して(あるいは自社で運営して)購入のきっかけ作りをしていく必要がある。

なので、Amazon.comの買収戦略は正しいと思う。今回、初めてShelfariをちゃんと見てみたけどおもしろそうだった。
(あ、漫画ニュースとかはそういうことを意識しながらやってる実験です)

来年以降、日本でもECサイトが専門メディア(ECサイトの関連メディア)を作ったり、買収したりすることが増えると思います。

あと、今回資料をまとめながら思ったのは、今のネットありきの購買行動プロセスをAISASで説明するのは難しいなということ。「Searchの対象が過去にShareされたコンテンツ」というのをうまく表せてない。いまいちしっくりきてないんだよなあ。

[追記]
スライドの最後に連絡先を入れるのを忘れてたので追加。営業、営業。

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今回の資料はえらい勢いではてブされてびっくりしています。多くの人は「あとで読む」...

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コメント(16件)[コメントだけのRSS]

> 「Searchの対象が過去にShareされたコンテンツ」

あ~ なるほど。そもそも、Attensionの対象がShareされたコンテンツだったりもしてますね。アフィリエイトのしくみを知ってると、いろいろ調べた上で、より自分の背中を押してくれた記事(サイト)の購入ボタンを押したくもなりますし。AISASはまったくの新規顧客の流れで、リピートの場合はSearch→Share→Actionですね。

maruさん、そうですね。
ブログ(Shareされたコンテンツ)で存在を知る(=認知する)ことも多いので、おっしゃるとおりAttentionの役割を果たすこともありますよね。
なんでもかんでもテレビCMで初めて知るものばかりではなくなってるので、そのへんを言い表せてないなあと感じています。

カティサークの押切さんが「Google Marketing」で書いている「AISARE」というのが、少し近いのかなぁと思うのですが、リピーターとエヴァンジェリストに違いがあり過ぎる感じもするし、AISAREだけだと「熱心なブログ」で属人的な気も。その中間層が集まることで結果的にエヴァンジェリストになると考えると、ちょっと面白いかな~と。

AISAREなんてのがあるんですか。知らなかった。
でもそもそもすべての消費行動はAttentionから始まるわけではないですよね。たとえば「トイレットペーパーが切れたから買いに行こう」とか。そのときの商品決定要因は「セールしてて安かったから」だったりしますよね。

悲しいことに、ブランディングとか関係ないところで、ぼくらは商品を選び買ってることが少なくありません。
そういうケースが抜け落ちていることも気になります。

ちょうどいいエントリーがあったので紹介します。あとで書くかも。
http://www.naotoyamamoto.jp/blog2/archives/2008/11/a.html

みんながみんなShareしないし、もっというとエヴァンジェリストになるわけでもないので、そういう煽っただけの合い言葉はちょっとあわないですね。

こんにちは。

昔ECサイトでマーケティング(主にアフィリエイト)を担当しており、非常に共感できるエントリーでした。

本エントリーの主旨とはずれるかもしれませんが、、2007年から2008年にかけてレコメンデーションエンジンというキーワードをよく聞くようになった気が個人的にしていて、その背景としてEC側に河野さんのおっしゃる認識があるのかなと思いました。

レコメンデーションは離脱率をさげ、単価を上げようという「I」用の技術ですよね。

うーん、なるほど。内部刺激からの問題意識。確かに、Attensionが出発点となるのは広告の発想という気がします。対象としているのが「ブランドもの」なのか、日々消費するものなのか、生活品なのか、書籍などより嗜好や思考が影響するものなのかetcによっても違いがありそうですね。
ところで、河野さんはネットで買うという前提でお話しされてるんでしょうか?

>onoさん
コメントありがとうございます。レコメンデーションエンジンは全体の中の「I」ではなくて、サイト内(自社エコシステム内)の「I」と言えるかもしれないですね。
いずれにせよご指摘の通り、購入(ときに併売)促進策であり浮気防止策であることは間違いないです。

>maruさん
この話はネットで買う前提です。なので「ECサイトの」と掲げています。
なのでさっきの例としてトイレットペーパーは不適切でしたね。ただまあぼくの場合、猫砂はECで買ってたりするので、アスクルを例に出すまでもなく、すでに消耗品の一部はネット購買にシフトし始めていますね。

Amazon の買収戦略については、これ↓

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20348938,00.htm

を聞いた時からいいなと思ってました。
ので、河野さんのおっしゃってることに同意です。

同意だけだと能がないので一点。

ヴァーティカルメディアを自社で持つようになると、
---そのメディアがレビューなどを中心とするコミュニティであった場合は、ですが---
投稿内容から様々なデータが取得できるので、レコメンデーションの精度が上がって、結果、クロスセルにつながるのかなあと思います。

Toshiyaさん、コメントありがとうございます。
その記事は知らなかったのですが、参考になりました。次にupdateするときはDpreview.comも入れとこうと思います。

レコメンドエンジンの精度についてはおっしゃるとおりで、どうやって使い物になるデータを収集するかについてはとても重要です。
協調フィルタリングの限界をおそらくAmazonは誰よりもわかってるはずで、だからこそデータ収集に取り組んでいるんだと思います。負けてられませんね。

実際、ナチュラムさんは、ブログ運営での集客(エンジンはレンタルされてますが)かなり成功していると聞いています。オイシックスさんなんかはどうなんでしょうかね?

http://www.naturum.co.jp/
http://oixi.jp/

ECサイト運営の専門メディアの有用性はずっと考えていました。
ただ、以前から自社商品に関連性のあるSNS運営なんかで、企業が自社サイトや自社商品の購入に結び付けようとして、まともな結果がでた例を聞いた事がないんですよね。

メディアってやっぱり色んな意味で公共性を演出するのが重要で、中身が特定企業の宣伝に偏るとメディアの価値は低くなるのかなと。

アマゾンなんかはネットの書籍販売においてはもう1ECサイトの枠を超えて、公共施設にも似た認識が世間にあるんじゃないかと考えるんだけど、そうなろうとしたら大きなシェアや認知度、投下資本が必要で、これからシェアを拡大したいサイトの現状と矛盾点が生じたり‥

だから運営会社を全くの別名にするとか、誘導先のサイトを分散させて、特定企業の宣伝メディアでないと思わせる演出なんてのもある意味必要なのかなと思っています。

小手先っぽくなりますけどね。

SNSは機能としてつけるなら外部じゃなくて、本体に組み込まないとダメだと思います。
(逆に言うと、その場合は可能性があると思う)

あと、こういうのはおっしゃるとおり品揃えにも関係してくるので八百屋のSNSでは無理で、スーパーや百貨店にならないとダメでしょうね。
そういう意味ではECショップの連合でメディアやコミュニティを運営することもあり得ると思います。
SNSに関してはメルマガを超えるだけの価値があるかが判断基準かなと思っています。

ただ、いずれにしても送客エンジンとしてのサイトをEC自らが持つことの必要性は今後高まるでしょう。

ECショップのメディア連合運営は面白そうですね。
連合という点では各店舗の既存客を送客しあう共催も、東西NPO団体では実際に巨大な売上を出しています。
それにROIも一般的な広告より高めです。

ただ、連合メディアでもしカテゴリに専門性を出すと、より価格競争の面で危険が生じる可能性もあるので、やはり最初の話のように自社でのメディア創出が一番有意義なのかな。

>貫名さん
コメントありがとうございます。
ナチュラムのブログは前からチェックしていました。まああれはユーザー任せなのでちょっとぼくのイメージしているものとは違うのですが、興味深いチャレンジですね。

>keisukeさん
自社でやれるかどうかは規模と専門性によるかなとは思うのですが、逆に考えるとそのどちらかで秀でてない限り、ネットでのビジネスは難しいと思います。
連合は組織(つまり人)の問題のほうがリスクが高いと思っていて、だいたい責任を押しつけあったり利権を奪い合ったりして仲間割れするのがオチですね。残念ですが。
100%自己責任でやるほうがオススメです。

今頃のコメントですが。

リアル店舗もあるので、純粋な「ECサイト」ではないですが、SNSと連動して上手くいってる事例として思い浮かんだサイトがあります。

カメラピープル
http://camerapeople.jp/

もともとコミュニティサイトから始まって、オリジナル商品をネットでも販売。その後、リアル店舗も。
という流れのお店です。
(運営母体は、そもそも成り立ちがWeb制作会社でした)
規模は小さく、専門性高い。の一例かと思います。

運営メンバーや参加者のスタンスが
「カメラ・写真大好き」
で、あふれてて、とてもよい形だなぁーと。

運営側の軸がブレずに、いかに「参加者が気持ちよく参加できるか」を最優先に運営続行できるか?が、カギで、しかも難しいわけですが・・・。

ユウコさん、コメント&情報ありがとうございます。
おもしろいですね。
OpenPNEを使ってるのかな。
こういうのも商売の規模(売上高)によって有効だったり、そうじゃなかったりすると思うので、いろんな事例を見て学んでいきたいですね。

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