ぼくはネット広告でブランディングなんてできないと思っている。でもそれは「ブランディング」って言葉の定義によるのかもしれないし、ネット広告の話がCPAとかCPCだけなのはつまんないとは思ってる。でもぼくは出稿側の人間なので、効果の曖昧なものにお金を出す気にはならないのです。大事な予算だから。
「インターネット広告市場はまだ黎明期だ。この成長市場の中でも『ブランディング広告市場』には大きなチャンスがある」
検索連動型広告が市場を牽引するインターネット広告市場。その流れは日本でも同様だが、「オンラインでブランディング広告が展開できる」メディアとして米国で成功している「Glam」の日本語版がいよいよスタートした。
日本では「マーケティング」の定義はものすごく狭義になっていて、ほぼ広告宣伝(たまに販売促進を追加)程度でしか語られないんだけど、それはまだはっきりしてるだけいいほうで、「コミュニケーション」や「ブランディング」になると、もう相手がどんな意味で使ってるのかわからないと会話が成立しないくらいひどい。
でもまあそのへんはしょうがないのかもしれない。ぼくがニフティ時代にマーケティング部に異動になったときも、基本的なことについて何も教わらなかったし、けっきょくそこからは独学と現場経験を積んでいくしか学ぶことができないんだから、人によって定義がバラバラになってしまうのも不思議じゃない。
というか、そういうところからきちんとしていかないと、この国に本当のマーケティングは一生定着しないと思う。
で、話を戻してブランディング。
最近になって、ネット業界(ってくくりは違和感あるんだけど)の人がよく「ブランディング」って言ってるんだけど、あれどういう意味で使ってるんだろうね。ぼくのところに提案に来る人たちには時々質問するんだけど、だいたい「露出」って意味でしか使ってないです。そりゃちがうだろ。
そもそもブランディングは広告がなくても成立する。広告は手段のひとつであって、みんなが見てないネット広告は出す価値がほとんどない。ブランディングは空気作りが重要なのでみんなが見てるかは超重要。
まあブランディングに携わってるマーケターってそんなにたくさんいないと思うんだけど、ブランディングって製品やパッケージ、さらには店頭やECサイトの完成度、サポートスタッフの応対など、さまざまな要素の結果として残るものなので、ネット広告を出そうが出すまいがあんまり大差ない。
ただ、お金を使いたがってる広告主はそんなにいないわりに、お金を出させたい広告代理店の営業マンはたくさんいるので、そういう人が売りやすい商品を作ったのは賢いと思う。それに広告主も担当者レベルになると若干変わってきていて、担当者は無駄な出稿を控えたいと思っていても、トップが派手な広告展開を指示したりするので、担当者も上司や社長を喜ばせるために仕方なくメニューに追加したりしています。
つまり「ここ(Glamのアドネットワーク)に出せばブランディングが実現する」なんてことはなくて、「ここに出しておけば(社内に、あるいはクライアントに)納得してもらえる」という程度なんだけど、その出稿側心理をついたGlamはうまいと思った。
と同時に、マーケティングに理解のある経営層を増やすために、マーケティングのマーケティングがやっぱり必要なんだろうなと思った。
[追記]
あー、これMarkeZineの原稿にすればよかった。失敗した。
[追記20081201]
言い足りてなかったことを追記しました。あわせて読んでいただければと。











コメント(4件)[コメントだけのRSS]
クライアントさんも「ブランディングを狙いたい」とよく言われるんですけど、「ブランディング」の意味をわからずに使ってることが多く困ってます。あと、それらをテキトーに使ってケムに巻く営業マンと。なんだろ?中身のないままに走ってく傾向を強く感じます。
投稿者: 平田 | 2008年11月29日 19:17
平田さん、コメントありがとうございます。
そもそもブランディングは1ヶ月やそこら広告を出したところで実現できるものではないですよね。
まあ億単位の金をつっこめば1週間でも「わ、なんかすげーな(バブってるな)」という程度のブランドは作れると思うけど。
地道に愚直に商売を続けることのほうがブランディングにはよっぽど大切なのに。
投稿者: 河野
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2008年11月29日 22:43
社内的に好都合なマーケティング商品の最たるものが「クチコミマーケティング」のような気がします。
きちんとした数字で表せないところが、担当者にとっても都合いい場合があるみたいですね。
投稿者: keisuke | 2008年11月29日 23:55
keisukeさん、コメントありがとうございます。
そうですね、クチコミはそういう「売り方」をされてますよね。広告主も飛びつきやすいし。でもいろんな方とお会いする限りでは、ダマされなくなってきてると思いますよ。担当者はそれだったらリスティング広告のがマシだと思ってるんじゃないかな。
むしろ上司から「うちはクチコミとかやれんのか」と言われるほうが多そう。
投稿者: 河野
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2008年11月30日 00:00