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マーケティング戦争

正月に読んだ本。なかなかおもしろかった。

これまでにも何度か書いている、ビジネスは相対で決まるから、どんなに優れた商品を作ろうが、競合がそれよりも優れてたら勝てないってことが事例を交えて書いてある。こういう名著に自分が考え至ったことと同じ話が書いてあるとちょっとうれしい(まあそれが正解という保証はないんだけどね)。

ぼくはマーケティングやビジネスの用語に戦争用語が出てくるのがキライで、戦略とかってのもじつは違和感バリバリなんだけど、こういうアメリカ人的な思考はどうかと思ってる。でも(アメフトだけじゃなく)サッカーでも戦術って言うし、最近はまあいいかと思うようになってきた。戦略戦術。

ブックオフオンラインなら1000円しないので、読んでみたらいいと思うんだけど、「戦力の集中」やそれをやらなかったことによる失敗事例が書かれていたり、そこそこ分厚い(271ページ)けど読み応えがあった。歴史に学ぶことの大切さは戦争もマーケティングも変わらない。

勝ってるときは防衛戦を、圧倒的な戦力差があるときはゲリラ戦を展開

というのはまさにそのとおり。
たとえばECサイトでもAmazonや楽天と同じようなことを最初からやろうとする企業が多いのは明らかに無理があると昔から思ってたので、妙に納得した。

シェアを奪うならトップ企業から

というのもそうだなと思った。下位企業は少ないシェアを必死で守ってるので、むしろトップ企業の守備が甘いところからシェアを奪ったほうがはるかに効率的。

こんな感じで至言がいっぱいあるんだけど、

「初」と「質」の勝負では、たいてい前者が勝つ

とか欄外に書いてある言葉も含めて、メモを取りながら読んでたらけっこうな量になった。特に最後の章は読み応えがあった。

他にもビジネスの戦略を、オフサイトミーティングなどの幹部合宿のや経営戦略室で考えるのは意味がない、という指摘とか、なるほどなあと思ったり。たしかに戦略ってのは考えてひねり出すものじゃなくて、日常のビジネス(言うなればマーケティング戦争)の延長で出てくるもの。

あとは、

ナポレオンが「軍と国家の運命を真に握っているのは砲兵隊だ。大砲はどれだけあっても、多すぎることはない」
(中略)
今日のマーケティング戦争の戦車や大砲は広告である。広告の使い方を戦術レベルで熟知していない限り、マーケティング戦略家として大いに分が悪い。

というのは20年以上前に書かれた本であることを考えれば、今だと「広告」の部分は「コミュニケーション手法全般」になるだろうね。

もうひとつだけ。

戦略は戦術を知り尽くすことから生まれる。

としながらも、

良き戦略の神髄は、戦術が特に優れていなくてもマーケティング戦争に勝てることだ。

と言ってるのはすごく納得した。
ぼくも常々、マーケティングってのは革新的な手法を使わなくてもいい、誰でも考えつくようなアイデアで十分だと思ってる。
大事なことは、いつどこでそれを使うかであって、その点ゆえに戦略が重要視される。

この戦術に依存しすぎないことはスタッフの採用についても言えることで、誰もがGoogleのように才能溢れる人材を集めたがるけど、スタッフの質は早晩(世間一般のレベルに向かって)平準化されていくわけだから、むしろ「普通」の人材をどう使えるかが大事だし、優秀なマネージャーは「普通」の人材に、120%のパフォーマンスを発揮させる環境を作れるかどうかで決まる。

まだまだメモったことがあるけど、長くなるのでこのへんで。

日頃からマーケティングについて考えてる人には良書だと思います。

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