smashmedia

« 直接対話に意味はあるのか | メイン | T-falオススメ! »

本当のカンバセーショナル・マーケティング

こないだ少しだけ触れたので、補足。

ぼくは本当の「カンバセーショナルマーケティング」ってのは企業の代表者がユーザーのブログにお邪魔してコメントを残すことだと思っています。そしてそこで対話を続けるだけの労力をきちんとかけることだと思ってます。

企業ブログは中途半端だし、ブロガーイベントも物足りない。もちろんやったほうがいいけど、これは「俺んところに出向いてこい」というスタンスなのが良くない。

会話(対話)したいなら行けと。

ユーザーのブログにコメントつけるというのを企業がやってることはほとんどなくて、たとえばブックオフオンラインにも口酸っぱく言ってるんだけど、日々の運用とかいろいろ考え始めちゃってなかなかやれない(でもきっと彼らはやるはずなのであえて書いておく)。

でもやってる企業もいる。たとえば貝印はやってる。

これはお題を出すことで、訪問すべきブログの特定をしやすくしてるんだけど、ここまでできてるなら、Googleアラートやトラックフィードを利用して、ブログ全体を対象にコメント活動を展開できるはず(すでに始めてるっぽいですね)。

企業と消費者がフラットになった、という声をよく聞きます。たしかにこれだけ情報が共有されてくると、企業も消費者もほとんど同じ情報を持つことになるので、フラット化していくのは当然です。

でもそれは流れの上でそうなってしまっただけであって、この新しい時代に適応しているわけではないのです。ただ「垂直」の高低差がなくなっただけ。
フラットになった時代に、企業はどのように消費者と関係を築くのか、それを考えて、今度は「水平」の距離差を縮めていくための活動を始めていくべきなのです。

それはオバマ政府の「ニューメディア」担当ディレクター、メイコン・フィリップス氏が新しい政府公式サイトの優先事項として掲げている、

コミュニケーション、透明性、参加

だとぼくも思ってます。気が合うな(とか言ったら怒られるか)。

パラダイムシフトした新しい時代には、新しいルールのゲームがあって、そこでの勝ち方は消費者と共生することです。
まさにオバマが言う「We」のイメージを企業は持つべきで、ぼくはこれからもそういうことを啓蒙して、ひとつずつ実現していこうと思っています。

[追記]
こないだ触れたというのはこの記事のことです。あともうちょっとだけ作業を簡素化できる仕組みを考えついたら、自腹ででも作りたい。

[追記の追記]
じつはこのエントリーは去年の年末に書きかけたままになってました。ちょうどいい機会だったのと、フィリップスさんの話もあったので自分の考えを整理するためにまとめました。

感想メール

感想を送る感想をメールで送る

トラックバック

この記事のトラックバックURL:

» 貝印の「カイタッチ・プロジェクト」が素敵すぎる。
貝印さんが創立100周年を記念して行っているウェブキャンペーンの 「カイタッチ KAI TOUCH Project」が、あまりにステキすぎて思わず反応し...

» 直接対話に意味はあるのか
ブロガーイベントに限らず、ネットマーケティング(とくにCGMとか言われてる領域)...

» KAI TOUCH Project!の話を聞いてきた
今日はKAI TOUCH Project!の取材に貝印さんに行ってきました。取材...

» 「カイタッチ・プロジェクト」はWOMマーケティングなのか(WOMマーケティングの定義)
8月26日(水)に、WOMマーケティング協議会の第1回事例共有セミナーが開催され...

コメント(11件)[コメントだけのRSS]

>企業はどのように消費者と関係を築くのか

ここを考える時に、広告的視点に縛られてると行き詰りそう。企業ブログやブロガーイベントは、どうしてもそこが抜けてないように見受けられて。事実、広告代理店の提案だったり、プロモーションメニューだったりしてるので当然なのですが(広報とか販促とか、言い方やお金の出所の差はあれど)。

あと、初回のコメントは多少定型の部分があるかもしれないけど、テンプレートでの書き込みでは継続できないし、コミュニケーションまで広がらないですよね。コメントする人に依るだけに、担当者のコミュニケーション能力が問われてきますね。というか、そこまで突き詰めないと「水平」の距離差は縮まらないと思います。

こんにちは。カイタッチ・プロジェクト!担当者のえんどうと申します。
この度は、KAI TOUCH Project!をご紹介下さり、誠にありがとうございます!

カイタッチ・プロジェクトは、弊社からのお題に答えていただいたお客さまはもちろんのこと、弊社や弊社製品・活動について取り上げていただいたお客さまのブログに、飛び込みではありますが、出来る限りお邪魔させていただき、きちんとお礼をさせていただくこと、また、場合によっては社員だからこそお届けできるような情報をご提供させていただくことを意識しながら、活動させていただいております。

ご教示いただいてる通り、インターネットというツールにより、お客さまは様々な弊社に関する情報を得られ、お持ちであり、また、様々なご意見・ご感想を記事にされていらっしゃいます。
実際に拝見させていただくと、私たち商品をお届けしている立場の者が学ぶべき点や、また、これまで弊社からきちんと正確な情報をお届けできていないのでは…と反省するべき点も多々感じます。

お客さまに学ばせていただく姿勢のもと、弊社の思いを、私たち社員の生の声として、少しずつお伝えできていれば、と日々願いながら、今後もカイタッチをさせていただいている次第です。

お客さまとともに、貝印としての姿勢を様々な商品・活動等に反映していけるよう、今後とも努力してまいりたいと思います。

ありがとうございました!

尚、弊社サイトよりリンクを貼らせていただきますが、不都合等おありでしたら、ご連絡下さい。

>カッチュー
コメントありがとう。売ってる(提案してる)ほうがわかってないのでしょうがないと思う。
だけど社内にコミュニケーション担当が「ちゃんと」ポストとして設置されるようになっていくと思うよ。この流れは不可逆なものだから。
そういうことにチャレンジできる、ファーストペンギンな企業を支援していきたいね。


>えんどうさん
コメントありがとうございます。非常に興味深く、また全力で応援したいと思う取り組みです。
いろいろと大変なこともあるかと思いますが、この活動がずっと(担当者が変わっても、部長や社長が変わっても)継続できるよう願ってます。がんばってください!

このあたりは、僕も以前から感じていたことで、すごく共感できます。

消費者と企業の対話の方法というのが、ネット文化の変化でいろいろな可能性を生み出しているにもかかわらず、実際にはなかなかそういったところに対して取り組めていないというか…

ブログへのコメントというところは、たしかに企業側としてハードルが高い部分もわかるのですが…(担当者への裁量など)

また、現状のブログマーケティングで生まれている、これまでのコミュニケーションとの構造的な違いというのもちょっとあるかと思っています。
このあたりは、僕もなにか書こうと考えております。

p-articleさん、コメントありがとうございます。
企業側の超えなきゃいけないハードルはたしかにいくつかありますが、これは可能ですし、ウェブサイトを作るのと同じように当たり前のことになると思います。

ぜひこのテーマで書いてください。そしたら対談しましょう!

目指していく方向が見えてきました。ありがとうございます。われわれの現在地からすると、はるか遠くですが、まずは一歩進みたいと思います。これからもよろしくです。

ササキさん、コメントありがとうございます。
変化や改革にはいろんな障壁がありますけど、ひとつずつ乗り越えていきましょう。ぼくもそのために啓蒙を続けて、援護射撃しますので!
最終的には「人」なので、大丈夫だと思います。

twitterでつぶやいた件です。議論を行おうという意図はなかったので、改めてこちらでコメントするほどのことではないのですが。。。

情報格差の縮小によって顧客と企業の関係性に変化が生まれ、新たな顧客接点構築として「KAI TOUCH Project!」のような試みが行われること、企業の本質を理解していない経営者や従業員が多いなか、河野さんが「We」の啓蒙をされていくことは、素晴らしいことだと思います。

ただ、下の記載が気になりました。

> パラダイムシフトした新しい時代には、新しいルールのゲームがあって、そこでの勝ち方は消費者と共生することです。

ドラッカーは50年前に、企業の目的は顧客の創造にあり、2つの基本機能としてマーケティングとイノベーションを持つと記しています。顧客を創造しなければ、企業は存在しえない。より正確に言えば、存続企業は、顧客に生かされた存在だということです。

つまり、企業が顧客と共に生きることは、50年も前から言われていることであり、昨今のインターネット利用の普及とは関係のない普遍的なものです。企業に顧客を殺すことで勝つ方法は、これまでも存在したことがないのです。それは、企業活動ではなく、単なる詐欺です。

また、マーケティングは、潜在的なものを含めた顧客ニーズの理解から、それに応える商品、サービスの開発、提供までの活動全体を示す概念です。その活動の一部の、手法の1つとして「顧客との会話」は、これまでも普通に行われていたことです。

インターネットが環境変化を起こしたことで、企業は競争に打ち勝つために、マーケティング活動の手法、企業戦略、組織構造などを環境に最適化する必要性に迫られていると思います。しかし、企業の目的及び機能は変わっていませんし、市場のルールも変わっていません。

以上のことを持って、河野さんが、「パラダイムシフト」「新しいルール」と表現されることに、違和感を感じました。「We」の啓蒙は重要ですし、私も完全にアグリーですが、「インターネットによる新しい時代だから」という理由であれば、それは違うのではないかと思いました。

ただ、以上のなかには、私の誤解、誤読による意識の齟齬があると思いますので、改めてご教授をいただければ幸いです。

以上です。

みしまさん、コメントありがとうございます。

おっしゃってることはわかりました。
たしかにずっと昔から企業は消費者とともにあるべき(共生すべき)という話は50年前から言われていることかもしれません。しかし、実際に行なわれてきたことは違いますよね。

詐欺ではなくとも、消費者を無視した企業が数多く生き残っていますし、テレビCMを大量に投下して流通に金積んでいい売り場を押さえて力業で売れちゃったりしてることも事実としてあります。顧客への一方的な語りかけは散見しますが、対話してきた企業ははたしてどのくらいあるでしょうか。
(そういう企業が悪いとは言いませんが、ぼくは好きじゃないですね)

ぼくがネット時代、ソーシャル時代を前にして感じることは、こうした企業の生き残りが今まで以上に難しくなるだろうなということです。
それは考え方の問題ももちろんあるんですけど、同時にツールやインフラの不整備という技術的な限界がクリアになりつつあることがあげられます。

「パラダイムシフト」と呼んだのはその部分であり、「新しいルール」というのはより正確に言えば「これまではほとんど無視されていたルール」が現実的に意味をなすようになった、ということです。

ぼくはこの変化はインターネット抜きには語れないと思います。

企業のあり方やマーケティングの本質的な部分は、ぼくも変わっていないと思っています。ただ同時にその理想的な理念の体現者が必ずしも勝者ではなかったのも事実で、インターネットを介して消費者同士が繋がるようになった時代だからこそ、これからはドラッカーやコトラーが唱えた理念をきちんと理解し、行動した企業が顧客に支持され、それこそ「顧客に生かされる」んだとぼくは思います。

ご返答をいただき、ありがとうございます。1つ前のエントリーなどを拝読する限り、本質的なところではズレはないと思うんです。ただ、表現だけの問題だと思うんですが、ちょっとだけ。

> 詐欺ではなくとも、消費者を無視した企業が数多く生き残っていますし、テレビCMを大量に投下して流通に金積んでいい売り場を押さえて力業で売れちゃったりしてることも事実としてあります。顧客への一方的な語りかけは散見しますが、対話してきた企業ははたしてどのくらいあるでしょうか。

こちら、いろんなのが混じってしまっているような気がしました。

・生き残っているということは顧客が存在しているということであり、マーケティングがプロダクトアウトでも問題はないはずです。プロダクトアウトな発想を「詐欺ではなくても」と表現するのは語弊があるように思えます。
・コミュニケーションを取るうえで費用対効果がよければ、力技も選択肢に入るべきです。

> 企業のあり方やマーケティングの本質的な部分は、ぼくも変わっていないと思っています。ただ同時にその理想的な理念の体現者が必ずしも勝者ではなかったのも事実で、

私は、理想論を語っているのではなく、現実として、勝者のほとんどは、企業のあり方やマーケティングをしっかりとしていると考えています。具体的にはどのような企業を指しているのか教えていただけませんか。

そもそも、前エントリーなどを拝読する限り、河野さんは、「対話は、企業と顧客間に発生するコミュニケーションの一種にすぎない。しかし、インターネットによって対話コストが下がって費用対効果が急激に上がっているのだから、これをもっと活用しようよ」と考えていらっしゃるのかと感じていましたが、いかがでしょうか?善悪、好悪、理想と現実、そういう類いの話ではないように思うのですが。。。

みしまさん、お付き合いくださってありがとうございます。

おっしゃるように善悪の話ではないです。
ただ「企業はネットをもっと顧客との対話のために使うべき」だとは思っています。もったいないので。なので好き嫌いの話にはなるかもしれません。

そしてネットがこれだけ普及する前(それはたかだか10年も経ってない最近)と比べたときには、当時の理想がようやく現実になりつつあるのも事実です。
対話のチャネルが開かれていなかったので。

これだけネットが普及する前は、それこそ資本力の差が勝敗の大部分を決めていたわけです。今でもそれは残っていますが、今後はそれをひっくり返すチャンスが増えると思っています。

それは十分すぎる時代の転換であり、パラダイムシフトと呼べる状況ではないでしょうか。

もちろんソーシャルメディアでの企業と消費者の対話は、引用いただいている通り「コミュニケーションの一種」に過ぎません。
ブログにコメントを残したら売上が倍増するわけでもありません。

ただ、こうした活動が消費者に支持され、「一番いい製品を作る」企業だけでなく、「そこそこの製品を作り、ちゃんと消費者と向き合う」企業にも、ビジネスで成功するチャンスが広がっていると感じています。

ぼくはそういう認識の元で、
「パラダイムシフトした新しい時代には、新しいルールのゲームがあって、そこでの勝ち方は消費者と共生することです。」
と書きました。

コメントを投稿(SPAM以外なら大歓迎です!)

この情報を登録しますか?
コメントへの返信をメールで通知しますか?

(コメント投稿に少し時間がかかることがありますが、クリックは一度だけでOKです)

※質問は掲示板でも受付けています。

関連記事(実験中)

「シムエントリ」には「ぽぷる」のデータが使われています。感謝。

リンク元

« 直接対話に意味はあるのか | メイン | T-falオススメ! »

最近のエントリー

カテゴリー別アーカイブ

月別アーカイブ

過去のダイジェスト(オススメ記事)

  • あわせて読みたい
  • TwitterCounter for @smashmedia
  • track feed
  • スカウター : smashmedia
  • この日記のはてなブックマーク数
  • 人気ブログランキング - smashmedia
  • Real Time Web Analytics