UCCのTwitterでの騒動の件。
キャンペーンを告知したいがために、TwitterのAPIを使って誰かが「コーヒー」と書いたらバシバシと
「コーヒーにまつわるエッセイとアートを募集中!エッセイで賞金200 万円!アートで賞金100 万円!締切間近!!」
という返信(Reply)を送りつけていたという話。送信数は約600件。
まあ行儀の悪いbotを使おうと言ったのは誰なんだ(どこの会社なんだ)って話はあるんですけど、そもそも騒ぎすぎでもありますね。
(もっともこういうふうに騒ぎ立てられやすいのがソーシャルメディアの特徴とも言えるわけですが)
こうやって取り上げることでまた油を注いじゃうのは本意ではないんだけど、徳力さんが書いてたのが興味深かったので反応してみる。
今回のUCCの手法自体は、Twitter上でコーヒーにまつわるつぶやきをしている人に、botが自動的にメッセージを送るというもの。 記事によると、代理店が提案した形をそのまま実施したもののようですが、まぁ間違いなく日本のTwitterを活用したマーケティングの成功事例として良く語られる「ドロリッチなう」のパターンをコピーして提案したものでしょう。
「ドロリッチなう」のコピーなのかは知らないけど、そうなんですかね。ドロリッチってマネするほどTwitterが貢献したの?(探したけどわかんなかった。詳しい人教えて)
「ドロリッチなう」というのは、Twitter上でそのフレーズの面白さからゲリラ的に流行ったフレーズで、少なくとも何かしらドロリッチに興味がある人でなければ発言しないキーワード。特に単純な「ドロリッチ」ではなく、「ドロリッチなう」なのがポイントで、偶然に発言されるキーワードではありません。 それに対し今回対象とされたと言われる「コーヒー」や「懸賞」というキーワードは、発言した人がUCCに興味があるとは限らないキーワード。
一般キーワードかどうかってことよりも、「ドロリッチ」という商品名(固有名詞)だから無関係な人にメッセージが送られないってだけの話ですよね。
グリコが「チョコレートなう」に反応してれば同じことなんだし。そういう意味ではせめて「コーヒー」じゃなくて「コーヒーなう」に反応すればよかったのにね(それでもウザいけど)。
ぼくはこういうのがどうかと思うんだよね。
許されるのは「UCC」に反応するところまでだと思う。
でね、「コーヒー」が一般的な言葉過ぎてウザがられるというのはまったく同感だけど、じゃあ「うどん」はいいのかよって話なんだよ。
加ト吉が「うどん」に反応してるのはみんな絶賛してるわけじゃん。ぼくはこれだって同じことだと思うし気持ち悪いけど、どうしてこうもちがうわけ? UCCが「珈琲皆兄弟」とか書いてればみんな絶賛してくれたのかな。
(botかどうかってのがけっこう大きな要因だってのはわかるけどね)
ということで人口無能系の開発者はUCCにもうちょっと高性能なbotの提案をすればいい。「珈琲皆兄弟」とか「おそれいりモカ」とか「お元気ですカフェオレ」とかを返す感じで。会話の元データは加ト吉のタイムラインから取ればいいと思います。
余談はさておき(全体的に余談のみの記事ではあるんだけど)、今回のUCCの行儀の悪さという点では、複数のbot用アカウントを使ってたってのもある。まったく顧客に向き合う気持ちがなくて、ただの送信用アカウントとしてしか認識していないところこそ責められるべきだと思うよ。
あの不死鳥っぷりには悪意を感じるよ、ぼくは。
CNETによるとUCCはこんなコメントを出してるみたい。
UCC上島珈琲では、「新しいコミュニケーションツールとして期待したが、理解が不十分だった。(botを起用したことについて)十分なリスクを検討できていなかった。今後はそれらを踏まえて、活動していきたい」とコメントしている。
この「新しいコミュニケーションツールとして期待」というのは多くの企業のいまの真実だと思う。メディアも煽るしね。
そして「十分なリスクを検討できていなかった」というのももうひとつの真実で、ここがソーシャルメディアマーケティングの課題というか残念なところ。煽る人はいっぱいいるんだけど、きちんとリスクを伝えてナビゲートする人(企業)がいない。いや、きっといるんだろうけど、そういう人(企業)の声は現実的でおもしろくないので誰も取り上げないんだよね。そういう情報こそきちんとシェアされるべきなのに。
消火活動が早かったとはいえ、トップページにお詫びへのリンクがどこにもない。「新着情報」にもない。
ああキャンペーンサイトにあるのか。
どうせチェックされるんだから、へたに隠してると思われるようなことをしてもしょうがなくて、むしろひとりでもたくさんの人に見ていただきたいという姿勢を示したほうがいいとアドバイスしてあげるのが代理店の仕事だろうに。
謝るならとことん謝らないと。たいした話じゃないとはいえ、一部で騒ぎになってしまったのは事実だし、謝ると決めた以上はね。
今回の代理店の罪という点では、そもそもTwitterの規約違反じゃんというのがひどい。
Googleのペイパーポストの件も、マクドのサクラバーガーの件も、つよぽんのストリーキングも、きちんと風化させちゃいけないですよね。
それにしてもどこの代理店なんだろね。CAじゃないという話は出てるけど(それがほんとかどうかもわかんないけどね)。
ていうか賞金200万円のエッセイの審査員は岡田惠和じゃん!
最終選考に残らないと読んでもらえないんだろうけど、ぼくも応募してみようかなあ。「Twitterとコーヒー」とかそんなタイトルで。素敵な話に仕立てるのが大変そうだけど。














コメント(4件)[コメントだけのRSS]
あの不死鳥っぷりは、確かにひどかったですね。
誰が焦って作りまくってたのかは特に興味あります。一つで止まってれば単純な誰にも知られない失敗事例で終わったでしょうにね。
それにしても、加ト吉さんの事例は良く知らないんですが、たしかに「うどん」へのリアクションとの違いはあんまりありませんね。
やっぱりbotというのと、無差別宣伝メッセージ、さらに不死鳥復活というのが重なったのが決め手なんでしょうか・・・
まぁ、企業がTwitterを使うことの物珍しさによる歓迎ムードが、徐々に減ってきていると言うのもあるのかもしれませんが・・・この辺りは単純比較ができないので難しいですね。
投稿者: Tokuriki | 2010年2月 8日 23:25
コメントありがとうございます。
加ト吉が絶賛で、UCCがSPAM扱いというのはぼくには半分くらいしかわかりません(もちろん半分くらいはわかりますけど)。
みなさんがTwitterを使ったマーケティングを薦めるのはいいのですが、きちんとリスクの説明をしてあげてほしいものだと思いますし、時には「やめたほうがいいよ」とブレーキを踏んであげてほしいですね。商売だから難しいんでしょうけど。
投稿者: 河野
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2010年2月 9日 00:37
騒動が起きた時に、サイトのトップに何も見当たらず、twitterで件のPDFを教えてもらったのですが、そういった隠蔽気質ってのが、もっともソーシャルメディアでは嫌われるのかな?とか思っています。企業秘密もあるだろうし、全てをオープンとまでは言いませんが、前のめりオープンくらいな気構えで対峙しないといけないんだろうなと考えたり。
慣れてなかった、担がれたって点では百歩譲れるけど、結局はソーシャルを理解しないまま、「利用してやれ」という気持ち丸出しでやっちゃったんだなぁと。マーケットと対話する気がない企業が、流行りだからと飛びつくとこうなるぞ、という好例でしたね。
マーケティングは戦争だという人がいますが、コンシューマーさえも敵側に置いてしまってるから、こういう風に失敗するんでしょうね。
投稿者: husaosan | 2010年2月 9日 16:56
husaosanさん、コメントありがとうございます。
自社の顧客全体から考えると今回のことを気にしてる人はほんの一部ですし、UCCの規模からすればごくごく少数なのでトップページに出すほどじゃないという判断もわからなくもないですけどね。
詳細は知らないけど、そもそもは例のエッセイ投稿キャンペーンの担当者が応募総数がKPIになってて、それを達成するために使ったんじゃないですかね。
だとしたらまったくバカげた話なんだけど、多少の効果はあったんじゃないかなあ。失ったモノは大きいけれど。
> マーケティングは戦争だという人がいますが、
これは例の本のことかな?
未読なのであんまり言及できないのですが、それは一面でしかなくて、ことソーシャルメディアという舞台に関して言えば、かなり違和感のある表現ですね。
投稿者: 河野
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2010年2月 9日 17:06