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「つながり」のブランディング

せっかくなので読み残していた続きもぜんぶ読んだんだけど、やっぱりおもしろかった。

とくにこの記事ね。

20110509202218

要約すると、現代マーケティングでは「じょうご」モデルは厳しくて、消費者はけっこうギリギリまで候補をしぼりこまないばかりか、購入直前でさえしばしば決断を変えるし、ブランドとの信頼関係が築ければ(つまり支持者になれば)次回以降は選択プロセスを経ずに再購入する、という話。

もちろんそれはソーシャルメディアでの情報共有が大きく影響を与えているし、同時に消費者は購入直前までほんとうの意味での意思決定をしないので、陳列場所、包装、入手しやすさ、価格設定、店員の対応などの探しやすさから買いやすさに至るまでの「売り場」の重要性が高まっている。

具体的な指摘として購入後の検索行動を挙げていて、たしかにこれはAIDMAなどの「じょうご」モデルでは抜け落ちている行動です。

つまり、いわゆる「タッチポイント」の重み付けが変わってきているという話でもあって、こうして消費者の行動が変わりつつあるにもかかわらず、企業のマーケティング予算の配分はまだまだ広告出稿に大半を投じており、購入者へのアプローチ(支持の拡大)には微々たる予算しかあてていない。

とまあそんなことをマッキンゼー・アンド・カンパニーのデイビット・C・エデルマンって人が書いていて、同社が「消費者の購買行動意思決定の旅(CDJ:Consumer Decision Journey)」という、消費者のブランドへの関与を示したモデルを紹介している。

ま、いまでもAIDMAが有効なシーンはあるし、知らない製品が売れるわけない以上、広告の効果がいまだに高いのも事実です。とくにいまはテレビCMも含めた広告出稿の価格が下がってきているので、広告はチャンスがあれば積極的に採用したい施策のひとつです。

だけど最適化を考えるなら「とりあえず広告」ではダメだし、話題を起こすために広告を使うならともかく、すでに話題が生まれているのに投下し続けるのはもったいない。

ぼくはこの記事を読んで、

これからのマーケティングはマーケティング部の予算と人員を削って、サポート部門にまわしたほうがいいね。Sun May 08 13:14:58 via Echofon

とツイートしたんだけど、広告宣伝部などの狭義のマーケティング部門の予算は考え直したほうがいいと思う(広義ではサポートもマーケティング部門に属する)。

同時にマーケティング部は司令塔的な新しい役割を担うべき。この記事でも、

統合的な顧客経験を推進するためのCDJ中心の戦略策定とその実施に当たっては、マーケティング部門が新しい役割やより幅広い役割を引き受ける必要がある。

として、具体的に

  • 全体的調整者
  • 情報配信者/コンテンツ・サプライチェーンの管理者
  • マーケット情報の管理責任者

という役割を示している。
はっきりいっちゃえば、マーケターのスキルセットが変わってきてるので、顧客を理解できない鈍感な連中にはもう仕事がないという話でもあります。

それこそぼくがニフティに入社した当時は新入社員の研修として全員がサポートを経験させられてたけど、ああいう現場経験というか顧客接点での経験を企業としてやらせないといけないと思う。
(あれなんでやめちゃったんだろうな)

ちなみにマーケティングは「売るまで」じゃなくて「売ったときに始まる」という話はぼくも3年ほど前にしています。はい、自画自賛です。

この話はわりと賛同してくださった方が多かったのか、けっこうメールをいただいた記憶がある(前半はクイズ大会だったんだけど)。

糸井さんがおっしゃってる「生産は消費で完成する」も同様のことですね。まあ当たり前の話なので、いろんな人が指摘するのも当然なんだけど、なかなかこれが理解されない現実も一方であるわけで難しい。大げさな表現をすれば、地球が回ってることが理解されるのに何十年もかかってるからね。

そしてその理解と実践のギャップが企業の成否を分けるわけで、不安を抱えつつも地動説を信じて動き始めた企業をぼくは応援したい。

ぼくが言ってる「アクティブサポート」も考え方としては、その流れを受けたものでそれこそ購入者が発信しているさまざまな気持ちに応えるのはこれからの時代、とても大事になると思ってます。

[追記]
「Harvard Business Review」は高いけど(2000円)、本を買ったりセミナーに参加することを思えばポイントがまとまってるしお得だと思うんだよね。特集次第だけど。

繰り返しになるけど、バックナンバーはAmazonで買うと高いので、ダイヤモンド社のサイトで買ったほうがいいですよ。送料無料だし。

[さらに追記]
本筋とは関係ないけど、確認のために調べたのでメモ。
コペルニクスが地動説に関する自らの思索をまとめた著書『天体の回転について』を刊行したのが没年にあたる1543年、そしてローマ教皇庁ならびにカトリックが正式に天動説を放棄し、地動説を承認したのは1992年。
数十年どころか450年もかかってますね。

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