ネットクチコミ座談会(その1)

はじめに

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河野「本日はお集まりいただき、ありがとうございます。ぼくは『ネットでクチコミなんか起きないよ』と言いたいんですが、実際にはクチコミというものがビジネスとして成立していますよね。
また、そのうさんくさいビジネスをやっている代理店にお金を出す人がいて、ブロガー※と呼ばれる個人がたかだか百円のために自分のブログに提灯記事を書いています。本日は広告主(企業)代表としてアカレンジャー(以降、アカレン)さん、広告代理店代表
としてガッチャマン( 以降、ガッチャ)さん、PR会社代表として仮面ライダー一号(以降、ライダー)さん、三者に来ていただきましたが、それぞれの立場から現場の本当の話を伺わせてください。実際にネット上のクチコミがどうなるかということについては、ぼく自身は今後も『効果はないよ』と主張していくつもりですが、現実として今こういう状況です、ということを明らかにしたいと思っています。よろしくお願いします」

一同「よろしくお願いします」

河野「それではみなさんに自己紹介をお願いします。広告代理店のガッチャさん。ガッチャさんはどんなことをやっているのですか?」

ガッチャ「今は営業の最前線ではなくなってしまったんですが、ブロガーマーケティングというものを提案していました。当時は一定の金額を売らなきゃいけないという社内目標もありました」

河野「目標というのはブロガーマーケティング単体でいくら、という設定なんですか?」

ガッチャ「いえ。ネットマーケティング全体でいくらか、ということです」

河野「では、お金を出す立場、企業・広告主代表としてアカレンさん、お願いします」

アカレン「弊社はある業界の中でシェアNo.1の企業です。市場が減退してきているので広告予算がそれほど用意できなくて、効率的なマーケティングを模索しています。じつはうちの商品の購入を決めた理由や知った理由をアンケートで調べてみると、クチコミが多いんです。例えば社長がテレビに出ていたとか、CMを見たとか、購入者が親戚にいたとか、いろんな理由がある中で、マス広告だけでなく、人づての宣伝の効果がかなり大きそうなんです。そういうこともあって、クチコミの力ってすごく大切なんだと認識している会社なんですが、そうは言っても対象者層の減少などで購入者数が苦戦している状況です。そこで巻き返しを図るためにネットによるマーケティングのような、それこそネットクチコミなどをもっと積極的に利用したいなと考えています」

河野「最後に、PR会社に所属されているライダーさんです。どんなことが主な仕事になるのですか?」

ライダー「基本的には、クチコミマーケティングに興味を持つクライアントからの相談を受けて、プランニングから実行、検証、レポートまで全部やっています」

河野「今まで成功したネットクチコミの事例ってありますか。クライアントがすごく満足した事例があれば教えてください」

ライダー「はい、ありますね。例えばメーカーの場合、直接お客さんと接触する機会がないので、単純にブロガーイベント※を開いて、消費者と触れ合うことが実現したときに満足されるケースです。それとSEO※やリスティング広告な話になりますが、新商品の発売時に、検索結果に新商品のイベントの記事がたくさん出てきて、それが狙ったとおりのブログだったというケースです。
もうひとつはファンづくりがうまくできたケースです。これはある小売店の話ですが、新店舗オープンのPRと連動した形で、特定の商品を切り口に、単純によく商品を使う方や欲しがっているブロガーさんを招待したイベントをやりました。『記者扱いだけでなく、お客様として接客する』という対応をしたところ、その後は参加されたブロガーさん同士でオフ会などもやるようになり、ユーザーさんが自発的にその小売店の広報活動もしてくれているんです。これが非常に好評でした」

河野「なるほど。最初のケースですが、メーカーがそのブロガーイベントでじかに消費者の声を聞けたことに価値を見出しているわけですよね。どうして自分たちで持っている顧客リストを使わないで、表現は悪いけど、得体の知れないブロガーを呼んで、その声のほうに価値を感じているのでしょうか。例えば、あるカメラメーカーがあったとしましょう。そのメーカーには過去の機種でユーザー登録カードのようなものを通じて、何万人かの情報がすでにある。その人たちを呼べばいいじゃないですか。でも、そのメーカーのカメラユーザーかどうかもわからない人を集めて、言いたいことを言わせることのほうがどうして良いと思われるんでしょうか」

ライダー「そう考えると、顧客リストを持っていない企業のほうが満足度が高いですね。もちろん中にはクライアントの担当者から自分たちの顧客でやったほうがいいという指摘もあります。わざわざマイナスな記事をブログに書かれるくらいなら、モニターでいいじゃないかと言われることもあります」

河野「それはイベントをやったあとに言われるのですか?」

ライダー「そうです」

河野「それは現実を知ってしまったということですよね。SEOやリスティング広告※的な事例はのちほど触れますが、最後の小売店の事例は興味深いですよね。イベントがきっかけでリアルなコミュニティが生まれたということですよね。ぼくはそういう事例を他に知らないのですが、このイベントとそれ以外のイベントとの違いは何だったと思いますか」

ライダー「ひとつは参加したブロガーさんがイベント慣れしていなかったことだと思います。もうひとつは全員が興味を持っている特定の商品に対してのイベントだったということ。三つ目に本当にブロガーさんを記者扱いをした結果、当日は本来予想していたブロガー同士のコミュニケーションが生まれなかったので、その欲求不満をオフ会の発起人のような人がうまくまとめてくれた、という奇跡的なものですね」

河野「たしかに奇跡かもしれませんね。そのオフ会の発起人は小売店の社員じゃなく、完全な部外者なんですよね?」

ライダー「そうです。そこまでは設計していなかったですね。正直、再現は難しいです」

河野「なるほど。でももしそれが設計可能だとしたら、企業がブロガーのようなCGMと向き合うときの成功パターンのひとつとしてありえるかもしれないですね」

(まだ続きます)

株式会社プレックスから発売されているフィギアを利用させていただきました。
©Rose O' Neill Kewpie International
©藤子A・シンエイ・中央公論新社
©石森プロ・東映
©タツノコプロ

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コメント(3)

rssで読むと対談形式で綺麗に表示されるのですが、ブログ形式だと文字が詰まって見えます(firefoxだからかも)

ほんとですね。なんでだろう。cssの設定だなあ。

imageにclear: both;をあててたんだけど(IEなら問題なかった)、pに指定しないとダメだったようですね。
たぶんこれで大丈夫だと思います。

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