
いきなりですが、質問です。
あなたは靴メーカーの社員です。市場調査のために、途上国のある島を訪れました。しかし、その島の住民は誰一人靴を履いていませんでした。全員、裸足です。
そんな時、あなたはどう感じ、どう考えますか?
もしあなたが「ダメだこりゃ、この島じゃ靴は売れねーや。だって、まず『靴を履く』という文化がないもの」と思ったなら、今後はその考えを変えていきましょう。
なぜなら、誰も靴を履いていないということは、その島の人全員が顧客になり得るということです。そして全員に靴を買ってもらうためになにをすればいいかを考えるのです。そういう発想がマーケターの発想です。
市場を発見し、創造する。それは文化を創ることなのかもしれません。SONYがウォークマンを発売した時も、スターバックスがエスプレッソをアメリカで普及させた時も無限の市場をそこに見ていました。
現時点の市場は皆無に近くても、それが参入可能性を否定するわけではありません。ここ数年は中国にいろんな業界が進出していますが、狙いは未開拓のマーケットがそこにあるからなのです。
本稿ではこうした事例やケーススタディを題材に、できるだけ実戦的なマーケティングについて学んでいきたいと思います。
質問は随時受け付けておりますので、お気軽にお寄せください。
マーケティングとは何か
マーケティングについて聞かれた時や誰かに教えなくちゃいけないシチュエーションになった際、ぼくはいつも「マーケティングって何だと思いますか?」と反対に質問するようにしています。そして一通り話をした後は「あなた自身の言葉でマーケティングを再定義し続けてください」と言うようにしています。
これはぼくにとってとても大事なメッセージです。政治や市場や会社や製品の状況によってマーケティングが担当する戦略や戦術は変化しますが、ぼくが言いたいのはそういうのとは少し離れて「普遍性を探し続けましょう」という意味です。
ちなみにぼく自身が考えるマーケティングの定義もずいぶん変わっています。1年前は「マーケティングとは、利益を極大化すること」と答えていました。「最大化」じゃなくて「極大化」なのは「めっちゃでかい」ということをよりアピールするためです(こういう言葉選びもマーケティングと言えなくもないです)。
では今は「マーケティングとは、需要をコントロールすること」と答えます。これは早稲田大学商学部の恩蔵教授がなにかの雑誌に書いていた記事の受け売りなのですが、マーケティングは需要を高めるだけじゃなくて、抑えるためにも使われるのです。
具体例としては上高地の自家用車乗り入れ規制があります。景観や大気汚染を守るために、あえて交通量をコントロールするそうです。同じようなケースではディズニーランドもやっています。入場規制で入れないお客さんをひとりでも減らすために、彼らもお客さんを分散させるようにいろいろ考えているようです。たとえばカウントダウンパーティでは、徹夜で並ぶ人が増えてきたため「せっかく来たのに入れなかった」という人を減らすために、事前抽選に変更したりしています。ディズニーランドのマーケティングについては後日あらためて書きます。
また、マーケティングの権威であるフィリップ・コトラーは「マーケティングとは消費者の要求をみたすこと」と定義しています。
あなたにとって、マーケティングとは何ですか?
ぜひコメントやメールであなたの定義を教えてください。そして、それを常に再定義し続けてください。
※この記事は2005/11/08に書きましたが、今でも意味があると思うので転載します。



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